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どれくらいそうしていただろう。
時間にしたらそんなに経ってはないのかもしれないけど、必死についていってた唇が腫れぼったく感じる。
ちゅるん。
下唇が吸い上げられソッと北沢さんが離れたと同時に頬に両手を添えられ───
「………うぅ!?」
突然頬を引っ張られた。
「うわぁー。千佳ほっぺ柔らか~」
「ちょっ!?」
先程までの甘い時間は?
ってか、この行動の意味が全く理解できないんですけど
「はは。千佳は何やっても可愛いね」
「ひゃ…ひゃなしてくらはいっ」
頬にある手を掴みやっとの思いで離してもらうと
「ごめんごめん。痛かった?」
「少し…でも、何で…」
「んーなんとなく?」
やっぱりよく分からない…
「あっ、ロックしてたね」
そう思いだしロックを解除し
「今日は遅くまでごめんね。部屋に入るまでここで見とくから。部屋に入ったらすぐ鍵を閉めること」
「はっはい…」
言われるがまますんなり車を降り
「それじゃ、お休みなさい…気を付けて帰ってくださいね」
「うん、おやすみ」
ドアを閉め部屋へと向かい、部屋にはいる間際に車を見れば車内から手を降ってくれてる彼の姿。
手を振り返し部屋に入りしっかりと鍵をかけるとエンジン音が少しずつ遠くなる。
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