第16章

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12月24日金曜日。 多くの恋人達が楽しく過ごすであろうクリスマスイブ。 「千佳さ~ん、今日はどうするんですかー?」 「どうするって、何もないよ」 「えー?北沢さんから連絡なしなんですか?」 「うん。まだ帰ってきてないから」 そう。 あれは1週間前─── 「出張…ですか?」 『ちょっとトラブっててヘルプで行くことになって』 「いつから何処にですか?」 『明後日からドイツ』 「ドイツ!?」 『前俺がいたトコ…って、話した事なかったっけ?』 そう言えば…海外にいたとは聞いたてたしっかり場所まではなかったかも。 「どのくらい向こうに?」 『行ってみなきゃわからないけど、状況次第。遠藤さんからは最低でも1週間とは言われてる』 「1週間…」 『ごめん、来週クリスマスなのに』 「…!!っ全然大丈夫です!気にしないでください!仕事なんですし、仕方がな──」 "北沢、ちょっと…" 電話の向こうから北沢さんを呼ぶ声が聞こえる 『今行きます。──ごめん、まだ仕事中なんだ。また連絡する』 そう言って電話が切れた。 余程忙しいのかそれから連絡もなく 出発当日に "行ってきます" のメールが着ただけで今日まで全く音沙汰なしなのだ。
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