第1章

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「ちっ、覚えてろ!」 赤鬼はそそくさと退散した。 かぐや姫は笑顔で二度と来るなと呟いたそうな。 「牛若丸、観賞してないで助けて下さいよ」 「いや、妾の出番はないであろう?」 牛若丸は苦笑いを浮かべる。 (全く、近頃の若い男は。私は断然……) かぐや姫は少女の方を見る。 「カッコいいです、かぐや姫さん。私の婿になって下さい!」 「えっ、私で良いんですか?こちらこそお願いしたい所でしたよ」 こうして、一寸ぼうしが犠牲となり、かぐや姫と都の姫は結ばれました。 めでたしめでたし。 ――一方その頃、鬼は。 「いててっ、酷い目にあった……」 赤鬼は角を擦りながら山奥へと逃げて来ました。 この山奥に、ある噂があるとは知らずに……
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