第1章

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――牛若丸 「ふぅっ、都も飽きた」 窓に肘を着いて景色を眺める。 すると、今度は青鬼が来た。 「ウォォッ!」 巨体に合わせた、巨大な金棒を振り回す。 ズドンっ 地面や人々を手当たり次第に殴る青鬼。 地響きが都全体に響く。 「な、何だ。今度は青い鬼か?」 牛若丸は羽衣を背に纏い、弁慶を倒した刀を楔から引き抜く。 「行くのですか、気を付けて下さいね?」 後ろで透明感ある着物を身に付けた女性が言う。 彼女の名は天女・アマテ 「あぁ、都を守らねばな?」 彼はフワリと窓から飛び降りる。 すると屋根の上を悠々と舞う。 そして地面に着地する。 「ウォォッ、人間が何の用だ?」 青鬼は金棒を向けながら問う。 牛若丸はそれでも怖じ気付かない。 「ふっ、如意棒よ。伸びろ」 ゴンッ 青鬼を突如として長い棒が弾き飛ばす。 「オイラの如意棒、役にたったか?」 その瞬間、金糖雲に乗って猿が近付いて来た。 (相変わらず、ヘンゼル達の手作りか……) 金糖雲は原料は主に、砂糖から出来ているそうな。 「ウォォッ、ウォォッ。何だ今の……は」 青鬼は敗れた。
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