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「じいさーん、止めとくれ。狸は、もっと懲らしめなきゃ。また悪戯に来るじゃろ?」
それを聞き、おじいさんは銃を地面に置く。
「火縄銃じゃ、なかなか当たらんわい」
おばあさんは呟きながら、うろうろと歩き回る。
「おばあさん、兎の考えを聞いて下さいよ!」
すると、一匹の兎が走って来た。
「あっ、兎じゃ。晩の飯に丁度良いわい」
「ひえっ、オイラを食う気か。じゃあ狸退治手伝ってやんない」
兎はニヤリと笑いながら言う。
「何、撃たないから。聞かせておくれ!」
おばあさんは興味津々に兎からの提案を聴く。
「成る程の、じいさんや。芥子と湿布を用意せい」
おばあさんはおじいさんに言った。
「よしっ、兎や。泥をかき集めておくれ」
「了解!」
兎は嬉しそうに返事を返すと、近くから泥を集め出した。
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