第1章 秘密の花園

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 ん? 栞って、押し花って、手作りって、マジ? 「本、部室にあるんだけど。どうする?」 「よ、読みたい!」  特に急いで読みたいというわけではないけれど、何故か私は急いで答えてしまっていた。 多分、立花君が無表情だからだと思う。 声も重くて低いからだと思う。 怒られているわけではないのだけれど、そう反射的に言ってしまったようで。 「じゃ、取りに来て」  鞄持ってこいよ、と立花君は先に一年三組の教室を後にしてしまった。 ちょっと待って、と思ったけれど、戸締り、窓閉めなきゃ、と私は小走りする。 鞄を胸に抱えて廊下に出ると、立花君は待っていてくれた。 二階にある一年の教室の廊下は静かだ。 私達は階段を降りる。 その時、私は立花君に質問を始めた。
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