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「生物部だけだ。わざわざ離れた旧校舎を好き好んで部室にしようなんて、先輩ら以外は考えもしないと思う。ぼろいし」
なるほど。
「おかげで好き勝手できるからいいけど」
と、立花君は長い前髪をつまんでいた。
私も下駄箱からスニーカーを取り、上履きと履きかえる。
その時、もうすでにスニーカーを履いていた立花君の足と並んだ。
でっかー、お父さんより大きいかも。
「ちっさ」
と、立花君も私の足を見ていたようで。
少し恥ずかしくて前屈みになっていた私は体を起こした。
「たっ、立花君が大きすぎるんだよっ」
「蝶野さんが小さすぎるんだと思う」
背比べをするように私の頭の上に手の平をかざす立花君は相変わらず無表情だ。
手もでっかー。
なんか悔しくて私は爪先立ちをしてみたけれど、全然敵わなかった。
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