第1章 秘密の花園

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 私が通うこの学校は、どこかの部活に必ず所属しなければならない、という校則があり、そのためか色んな部活が存在している。 白魔術研究部やレトロゲーム部なんてのも正式な部として登録されていて、驚いたのは言うまでもない。  亜希はバレー部で、入部早々レギュラーとなり、期待の新人と言われている。 中学時代からバレーが上手で、友達の私も自慢したいくらいだ。 そんな私は運動があまり得意ではないので、運動部ではない。 「千草はほんっと、周りの音聞こえなくなるからなぁ」  はぁ、とため息をつかれるのも何度目だろう。 私は本を読むとどっぷりとその世界の中に入ってしまうのか、耳が閉じたように何も聞こえなくなってしまうみたいで。 「千草は今日、当番だっけ?」  私は図書部に所属している。 本好きの私にとってこんなに有難い部活はないと思う。 図書部の活動は二つ、交代制で図書室での当番と、一か月に二冊以上、図書室にある本を読む事である。
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