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「はい、立花です。何度も蝶野さんって呼んだんだけど、なんか世界に入っちゃってて全然聞こえてなかったみたいだな」
「ご、ごめんなさい」
立花君。
立花太陽(たちばなたいよう)、って名前だったっけ。
私のクラスメイトで、出席番号が五十音順のため私の一つ前の人で、席も席替えしていないから私の前の人で。
ひぃー、立花君と初めて喋ったよー……どうしよー……。
横顔で横目のままに立花君は、ちらり、と私を見た。
うっ。
「ご、ごめんなさい」
どこを見ていいのかわからなくて、私は目を泳がせてしまった。
何故か恥ずかしさが込み上げてきていて、顔が熱い感じもする。
「なんで謝んの?」
「うっ。えーと、その、なんか、気づくまでお待たせしてしまったようなのでー……」
しどろもどろとしてしまった。
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