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容易にうちらを捕まえた彼ら。
その彼らの羽織る隊服。
浅葱色、ダンダラ模様の羽織。
京都の人間や無くても知っとる人は大勢おる。
──『新選組』。
その浅葱色の羽織は、田舎武士の多い壬生狼にはお似合いや。
うちは新選組について記憶の中を探る。
(さっき『壬生狼』呼ばれとった。ということは京都に来て間もない頃やから…文久3年…)
「総司、捕まえたのは女達だけか?」
低い、良く通る声にさっきの怒号が重なる。
(総司? ほな、こん人が沖田 総司であれが土方 歳三…?)
「すみません、男のほうは足が早く、人混みで見失ってしまいました」
総司と呼ばれたうちらを捕まえた人は、少し申し訳なさそうに話す。
(あの二人は逃げられたんや。良かった…)
「まぁいい。こいつらだけでも屯所へ連れて行け」
やはり『鬼』と言われるだけあるな。
非力な女子2人でもあれだけの殺気を出すんや…
これはとんでもないことになりそうやな…
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