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「もう一度だけ聞く。お前らは一体どこから来た?」
「「………」」
返事をしないうちらに、土方はんはあからさまに舌打ちする。
あれから直ぐにここに連れて来られて、今までずっと質問責めや。
そない時間は経ってないようやけど、うちらにとっては永遠ともとれる時間を過ごしてるように感じとる。
「このまま黙っているつもりなら然るべき処置を執る」
そないなこと言われても、答えられる筈あらへん。
『未来』から来た、やなんて言うたかって、きっとこん人はうちらを…
でもそろそろ黙りも限界や…
「ちょっと邪魔するよ」
突然、襖の向こうからこの部屋の空気にそぐわない声が聞こえたかと思うと同時に襖が開き、1人の男の人が入って来る。
何故か見覚えのある顔やけど、どこで見たんやろう。
土方はんはこの人を見るとまたもやあからさまに嫌な顔をしはった。
「ケイキさん、一体ここに何の用です?」
ケイキと呼ばれた人は土方はんの質問に答えること無く、うちらの前へとしゃがみ込む。
「やっと見つけた」
「え…」
意味のわからへん事を言わはるケイキと呼ばれた人。
今度は土方はんに向き直って一言、言い放った。
「この子達は俺が預かるよ」
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