謎の写真とカメラ

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「茉莉花(まりか)、こんなんもあるで! どれにする?」 「どれにしよう…? 美桜(みお)ちゃんが選んで!」 うちは修学旅行で京都に来た従妹の茉莉花らと、予定に組み込まれた自由時間を利用してお土産屋に集まっとる。 「茉莉花、時間掛かりすぎ。その調子だと回り切れないって」 「ごめんね、翔太くん。もう少しだけ待って!」 茉莉花の幼馴染みの結城はんは、さっきからそう言われ続けてずっと待っとる。 溜息をついた結城はんのすぐ側で、腰を落ち着けとる男は「仕方ねぇよ。これが女だと思って諦めろ」と諭す様に結城はんに話し掛ける。 「ゆう、あんたは女子(おなご)の何を知っとる言うんや」 うちが“ゆう”と呼んだ男、もとい林 佑亮は、うちと同し(おんなし)小学校を卒業した後、東京へ引っ越して行った。 しかし偶然にも茉莉花らと同し中学・高校に入学、いろいろあって今となっては結城はんの親友になったらしい。 久し振りに会うことが出来たうちと茉莉花は、時間を忘れて買い物に夢中になっとった。
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