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「…。っ! 茉莉花…?!」
漸く気が付いたうちはその場から起き上がると、同しように側で倒れとった茉莉花を慌てて起こす。
何が起きたのか尋ねる茉莉花に、「うちもようわからへん」と返す。
「とりあえず、ここから出よか」
ゆうと結城はんも起こして古道具屋を出る。
しかしそこには、さっきとは全く違う景色が広がった。
(どういうことや…?)
下を見ると舗装のされとらん、砂ざらしの地面。
上を見ると電線や高層ビルなんかに邪魔されとらん、広く蒼い空。
着物姿で道を行き来する人々。
「なに、これ…?」
突然の異変に驚きを隠せへんようで、3人共キョロキョロしとる。
「…美桜ちゃん、ここはどこ?」
「…ようわからへん。ただ、今言えるんは……」
認めたくもあらへんし、認められる訳もあらへん。
せやけど、これは──
「時間を移動したんかも知れへんいうことだけや…」
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