破綻

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{こ~こ~が~ざ~い~に~ん~た~ち~が~つ~ど~う~と~こ~ろ~で~す~} カオンが言うそこにはいかにも死装束といった格好をした人が針でいっぱいの山に上ったりや熱い釜に入って熱せられていたりした なんだこの地獄絵図。いや、地獄だからこの風景は日常茶飯事なのか こうなったらなんか、早いとこここを抜けて人間界に戻りたいや と、まあそのためにはアイドルになってくれる女の子を探さないとな でも、せっかくアイドルにするなら良い人材が欲しいなあ まず、かわいくて と、そこまで考えながら地獄の中を探していると 見つけた アイドルの素質ある子を こんなにかわいい子はなかなかいない そう直感から思えるくらいの その子は黒髪を首が隠れるか隠れないかくらいにし、自分で切っているのか髪の長さが所々違うのだけどそれをうまくワックスでも使ってるように散らしているため、不恰好という悪印象から一種の格好よさの好印象にうって変わる 瞳は黒。だけど、あの女みたいにつり上がってはいない 顔は小さく真ん丸お目めは大きく、そして透き通っている 白い肌は………うわあ。さすが地獄、あの子の腕、傷だらけだよ。あの犬がやったんだな ん? 「なあカオン?」 {な~ん~で~す~か~} 「罪人って地獄で受けた傷はもとに戻るのか?」 {そ~う~で~す~よ~。な~ん~ど~で~も~ば~つ~が~う~け~ら~れ~る~よ~う~に~} 「……………」 うん。分かってはいたよ。ここが地獄だって とりあえず、こんなかわいい子はまず話をしなきゃ 「すいませ~ん」 {うん?何?} 「僕、人間界でアイドルプロデューサーやってるんだけど」 {え!!アイドル!!ねえねえ?かわいい子いっぱいいる?} その女の子はアイドルの言葉が聞こえたところでものすごい勢いで目をキラキラさせて僕を見る 「いや………これから集めるんだけど」 {そっか~。でもいいよいいよ。これからいっっっっっぱいアイドル集めるんでしょ、なら私やる!} 「…………」 {ん?あれ?そういう話じゃないの?あれあれ?} 違う。あまりにもあっさり決まりすぎて現実味が沸かないだけだ 信じられない あれだけかけて一人も捕まらなかったやのが、まさか地獄に来て一人目にして早速OK貰えるなんて 夢じゃないのか いや、それならこの状況に説明はつくが、その可能性は今でも疼いている股間が教えてくれる
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