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「……………」
{イエイ☆}
いや、『イエイ☆』じゃなくて……
これはどう対処すればいいんだ?
右手を少しかがんだ膝にのせ、左手は顔の横で指三本のピースみたいなのをしている
そのポーズに突っ込めばいいんだろうか
まあ、いい。ここは気にしない方向で
「じゃあ、その子をここに連れてきてよ」
{はーい}
飯野はトテトテと目的に向かう
「にしてもよく罪人を連れ出せるなあ」
{そ~れ~は~わ~た~し~が~だ~い~お~う~さ~ま~か~ら~きょ~か~を~と~っ~て~あ~る~む~ね~を~つ~た~え~て~る~か~ら~で~す~}
「ああ。そうかカオンがいたか」
{は~や~く~も~わ~た~し~の~そ~ん~ざ~い~を~わ~す~れ~て~い~た~の~で~す~か~?}
「いやいやいや!そうじゃない!そうじゃないんだ。ただ、それで簡単にスカウトできるんだと思っただけだって」
{そ~う~で~す~か~}
「そうそう」
{連れてきたよ~}
「おお。ありがとって!?おい!!なんだ!?その体一面にある穴と傷は」
{え?だってここ、針山地獄ですよ?なら当然これくらいの傷はつきますよ}
「そうじゃなくてならそっちの子は分かるけど、なんで飯野まで傷だらけなんだ!?」
{う~ん?近くまで呼びに言ったがため?}
「なんで疑問形なんだ。それに、呼び掛けるとか、方法は他にもあっただろう」
{取っ捕まえた方が簡単でしょ}
「その代償として身体中穴だらけなのはどうよ」
{大丈夫だよ。怪我ならとっくに慣れちゃった}
「慣れたら駄目だろ」
{んもう。プロデューサーさん、顔色悪いですよ?}
「そりゃあ血みどろ展開にもなりゃあ血の気引くわ」
{ヘタレ~}
「お前がおかしいんだよ」
{クスックスッ}
飯野と言いあってると飯野が見つけてきた女の子が笑いだした
「あ、ごめんごめん。置いてけぼりにして」
{いや、大丈夫じゃ}
その女の子は一際肌白さが目立つ顔と両側にした薄い茶色の三つ編みが印象的だった
確かに飯野が言うのも最もで、素材が大変よろしかった
瞳も微妙に茶色が入っていて、穏やかな目をしている
というか、和むなあ。この子を見てると
なんか。さっきまで暴力に訴えかけていた人間とか、感覚がおかしい子がいたから余計この朗らかな女の子は和む
しゃべり方はおかしいけど、まあ気にしない
こういう個性なのだろう
「でも、飯野。お前スゴいなあ」
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