第1章:ガンダム奪取作戦ーリヒオス視点

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オーブの資源コロニー、ヘリオポリス。 このプラントは他のプラントと比較して、大きく形が違い、円筒型をしている。 非戦の姿勢を貫いている(正確に言えば武装中立国だから、仕掛けないだけで反撃はする)故か、平和と言えば平和であるのは間違いない。 …というのが、これまでの報告だった…と僕ーリヒオス・シュテルウェルトは独り言のように呟く。もちろん、その説明が過去形なのにも理由がある。 念のために潜入していたスパイから、連合軍のMSが開発されているという情報がザフト軍にもたらされたのだ。もちろん、極秘に開発されている為、ヘリオポリスに住む者の殆んどがその事を知らないと思う。 僕達は…もう少し後にそのMSを奪いにいく。奪いに行く理由は簡単で、僕達のMSよりも強力だ…という情報がもたらされたから。疑ってる訳じゃ無いけど、もしそれが本当なら…パワーバランスは一気に傾いてしまう…。 それに、僕達の戦いをこんな形で終わらせたくない。連合軍の新兵器が出てきた程度で終わるような、そんな戦いでは無かったはず…。 リヒオスが深く考え込んでいると、突然、誰かに殴られた。 リヒオス「痛っ…。」 リヒオスが顔を上げると、そこには銀髪の男が立っていた。少しだが、眉間にシワを寄せて、いかにもイラついているのがよくわかる。彼の名はイザーク・ジュール。今回の強奪作戦の主要メンバーの一人…。イザークはリヒオスに尋ねた。 イザーク「貴様…今、何を考えていた?」 リヒオス「…連合の、新兵器。」 イザーク「…余計な事を考えるな。我々が新兵器を奪う。有事の際には、お前はMSで出れば良い。ここでの行動は全員の気持ちが一つでなければならない。もし、これ以上士気を乱すようであれば…。」 イザークが言いかけていたが、誰かに制された。ディアッカ・エルスマンである。 ディアッカ「イザーク、イラついたのはいいが、そこまでだ。」 イザーク「ディアッカ!」 イザークが激昂するが、ディアッカはイザークを制しながら耳打ちする。 ディアッカ「…あのな、ここは少なくとも人の多い通りだ。怒るならここでなくとも良いだろ?下手に目立って作戦潰したらどうするつもりだ?」 ディアッカの言葉でイザークも周囲を見渡す。丁度、誰も見ていなかった。 イザーク「…仕方ない。」 イザークはそう呟くと、歩き出した。
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