距離 #2

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「俺は、ずっと・・ ここにいて欲しいって思ってる」 ゆっくり口にした俺の気持ちを聞いて、 ユキは、やっとこっちを見た。 ユキの今にも泣き出しそうなくらい 悲しそうな表情に、 胸がざわつく。 「時間は、もう、戻らないの。 以前の関係に戻ることなんて、できないんだよ。 だから・・ 私は、出て行くよ」 ユキは、微かに震える声で、言った。 時間は、もう、戻らない・・か・・。 ズシっと胸に重くのしかかって、 痛い・・。 「じゃあ、おやすみ」 クルリと体の向きを変え、 部屋に入っていこうとするユキの腕を 俺は、思わずギュっと掴んでいた。 久しぶりに触れた。 細い手首。 なめらかなユキの肌・・。 やっぱり、離したくなんて、ない。
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