距離 #2

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このまま抱き寄せたい。 だけど、確実に、嫌がられるよな・・。 俺は手首を握った腕に少しだけ力を入れた。 「・・明日、仕事休みならさ、 不動産屋に行く前に、 ちょっとだけ、 付き合ってよ・・」 頼む・・。 祈るような気持ちで、言った。 「え・・? だって、明日、平日だよ? 要、仕事・・」 驚いて俺の顔を見上げるユキ。 掴んだ手から、ユキの小さな動きが伝わる。 「仕事は有給取るよ。 ユキと一緒に行きたいところがあるんだ」 「・・・・? いい、けど・・」 小さく首をかしげながら、 ユキは頷いた。 良かった・・。 ふぅっと息を吐き出すと同時に、 掴んでいた手も離した。
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