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「不動産屋は夜までに行けば大丈夫だけど・・」
本当は、今日行かなければいけないって義務もない。
電話一本で、変更できることだし・・。
「遠出って・・
どこに、行くの・・？」
「ん。ちょっとそこまで。
付いてきてもらっても、いい？」
要が顔を横に向けて、私の顔を覗き込む。
トクン・・
と胸が熱くなる。
「うん」
私は小さく頷いた。
以前もこんなこと、あったよな・・。
『どこにでも付いていくよ。
要と一緒だったら、
きっと、どこにいても私は楽しいから』
たしかそう答えたような気がする。
今も。
あの頃の気持ちと、そんなに変わらないのかもしれない・・。
今日だけは、全部忘れて
最後の思い出を作ってもいい・・かな・・。
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