充足

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学校を出ると、 俺はまっすぐ来た道を引き返し、 高速道路の入口へ向かった。 「実家には、寄らないよ?いい?」 胸に溢れるくらい幸せな気持ちで 体中が熱くて、 少しも離れていたくなくて・・。 とにかく、ユキを抱きたい。 そんな欲求が、体を駆け巡っている。 車の中や近場のホテルでだって抱くことはできるけど・・。 そうじゃなくて。 あの家で、ユキを抱きたくて。 「うん。私も早く家に帰りたいから」 「よかった」 ユキも同じ気持ちでいてくれるのかな? 運転しながら、ユキの手をギュっと握った。 しっかり握ると握り返してくれるその手を 俺は、もう絶対に離さない。
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