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家に着いたのは、夕方近くだった。
部屋は、今朝出てきた時のまま、何にも変わっていないのに、そこにまとう空気さえ違って見える。
「ただいまー」
いつものユキの『ただいま』がやけに胸に響いて、
トクン、トクンと、胸の鼓動が全然落ち着かない。
緊張してんのは俺だけかな・・。
ユキはいつもとあんまり変わらなく見えるし、
「運転お疲れ様。
コーヒーでも淹れようか?
要は座ってていいよ」
そう言って、まっすぐキッチンに入っていく。
「あ・・。さんきゅ」
そうじゃなくて・・。
いいんだよな?
本当に・・?
どうやって始めるんだっけ。
久しぶり過ぎて、そんなタイミングさえ、掴めない。
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