充足

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「俺も手伝うよ」 とりあえず、俺もユキの後について キッチンに入って行った。 「あ。ありがと。 じゃあ、カップ二つ出して」 ユキは、手際よくコーヒー豆を、 コーヒーメーカーにセットしている。 俺が引越していく前から配置も何も変わってない食器棚から、 コーヒーカップを二つ取り出した。 だいぶ前に一緒に買ったペアのマグカップ。 これもまだあったんだな・・。 「これで、いい?」 俺が二つ並べてキッチンに置くと、 「これ・・。 う、うん。あ、りがとう・・」 急に、ユキの動きが止まって、言葉も震えてる・・。 「ユキ?」 ユキの顔を覗き込むと、 そのカップをジーっと見つめていたユキの瞳から、大粒の涙がポロリと落ち、頬を伝っていった。
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