眼鏡男子心酔女子

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 それが終われば教卓を拭き、花瓶の水を入れ替える。  その頃には、ちらほらと何人か姿を見せ始めるので、授業が始まるまで各々好きに過ごしているのを横目に見ながら、一時限目に必要な教材を揃えたりする。  その間、栗生君は黒板消しをクリーナーにかけたり、チョーク・チェックしてくれていたので、私は自分の席に座り、日誌を広げた。しかし、何故…… 「日誌の記入者率って明らかに女子が高いんだろう?」  一人ごちていると、朝の業務を終えた栗生君が私の隣に座った。 「……がと」 「え?」  申し訳ないけど、ぼそっと過ぎて聞き逃す。 「日誌、ありがと」 「こちらこそ色々とありがとう」  その時、チャイムが鳴った。  栗生君は、ハッキリ言って冴えない。  校則をかっちり守った黒髪は、綺麗なツーブロック・ショート。他の男子みたいに制服のズボンを腰までとか、絶対に着崩したりしない。  かといって、優等生タイプとかそういうのではなく、いわゆる本当に普通の男の子。
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