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休み時間になれば、友達と過ごしたり、時には読書や予習したりする。真面目で地味な……愛すべき眼鏡男子。
私は自分に対し、学力面でコンプレックスがあって、栗生君の様に鉄板アイテム一つで周りを信頼させる崇高な存在に知らず知らずの内に憧れてしまうという傾向がある。
あーちゃんは言う。
『眼鏡男子なら他にも、いくらでもいるじゃない?』
ああ! もう!
全然、わかってない!
ただ眼鏡をかけてるってだけじゃ、ダメなの!
そこに何かしらの要素が入らないと!
その魅惑のスパイスが加味されたのは、あのアクシデントのせいだ。
ううん。そのお陰で私は栗生君という存在に一歩、近付いてしまったのかもしれない。
◆◆◆
「……けほ」
「ひーっ! ごごご……ごめんなさいっ!」
どうしてこんな事態になってしまったのか?
自分まで咳込みそうになりながらも、必死で平謝りした。
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