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プルルは理科室に入るべく、スライド式のドアに手をかけた。
後ろにいる三人(一人はぶつぶつと何かを唱えている)は、ごくりと息をのみ、彼女の手に意識を集中させている。
理科室には骸骨や人体模型があり、これがホラーの類いだと動き出すところだからだ。
しかし、彼女は躊躇いなく横に引き、彼らの目の前には切り取られた空間が広がった。
全員が理科室へと入り、入り口にある明かりを灯す機械には触れずに心もとなく足を進める。
薬品が置かれている棚の前を通り過ぎると正気に戻ったギロロが口を開いた。
「ふん、ぜんぜん恐くないじゃないか。」
「そう言っているわりには足震えてるわよ?」
くすくすと笑う彼女に指摘され、顔が火照っていくのがわかる。
言い返そうとすると肩に白いゴツゴツしたものが――――
「いぎぃゃああああああああ!!!」
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