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少年三人は言うことをきかない弟を怒るように声を上げる彼女の声など耳に届かず、ぽかんと口を開けながら顔を青ざめさせた。
それもそのはず。
彼らの目に入ったのは
"身体が透き通っているプルル"
本物が目の前にいるというのに廊下の先で浮き上がっているという異常。
半透明のプルルは微笑み手を振ると全く違う少女へと姿を変え溶けるように消えていった。
閉めきった建物の中に生温かい風が流れる。
急に固まって動かなくなった彼らを心配して発したプルルの声は三人の叫び声によって消されてしまった。
- end -
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