大切な存在

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自分より少し体が大きい首謀者に視線をやると含み笑いをしているのが目に入った。   ボクが問いつめようと口を開くよりも早く、シヴァヴァは先程言いかけた言葉を放つ為、徐に口を開く。     勝ち誇った色が瞳に宿っている――気のせいだろうか?     「普通の飴じゃねぇんだけど、本当は二つの効能を持っているからそういう名前なんだ。一つは普通の飴と違う感覚を楽しめること。もう一つは……」   「?」     再び台詞を途中で切り、不気味なほど爽やかな笑みを頬に湛えるシヴァヴァ。   何時もと雰囲気が異なる彼に戸惑い、問いつめるという思いもどこかに消えていく。     彼は怒気が抜けたボクを見据えると超次元ポケットから手に収まるくらいの小さな透明の球体を取り出した。
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