第1章

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「ゆず、指輪つけてもいい?」 「うん!俺も淳につける!」 「おお!」 つけてみると、びっくりするくらいピッタリサイズだった。 「あのー。俺淳に指輪のサイズなんて言ったっけ?」 「あー。ゆずが寝てる間に測っちゃった。ごめんごめん。」 「マジかっ!!気づかなかった!」 「お前が具合悪くてぐっすり寝てる時に測った。驚かせたくて勝手にデザインとか決めてきてごめんな。結婚指輪は一緒に見に行こう」 「うん!」 ソファに淳が俺を後ろから抱きしめるように座り直すと、淳の左手をとって自分の左手と並べる。 男として悔しいが淳の方が手も背も大きい。 そして、その大きな手と自分の少し小さい手にはめられた指輪を眺める。 とても綺麗だ。 センスの良い淳らしい綺麗な指輪。 今日からこれは俺の一生の宝物。 「じゅんー」 「んー?」 「ほんとに、ありがと。今、俺すっごい幸せ。」 「ゆず」 「こんなに幸せだと、夢みたいだ」 「ゆず、夢じゃないよ。俺こそ、ありがとう。俺も今、とても幸せを感じてる。」 「ふふふっ!」 あったかいな。 子供の頃に味わったことのないような幸せを今噛み締めてる。 あの頃を頑張って乗り越えて良かった。 自分は、生きてて良かった。
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