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「ゆず、指輪つけてもいい?」
「うん!俺も淳につける!」
「おお!」
つけてみると、びっくりするくらいピッタリサイズだった。
「あのー。俺淳に指輪のサイズなんて言ったっけ?」
「あー。ゆずが寝てる間に測っちゃった。ごめんごめん。」
「マジかっ!!気づかなかった!」
「お前が具合悪くてぐっすり寝てる時に測った。驚かせたくて勝手にデザインとか決めてきてごめんな。結婚指輪は一緒に見に行こう」
「うん!」
ソファに淳が俺を後ろから抱きしめるように座り直すと、淳の左手をとって自分の左手と並べる。
男として悔しいが淳の方が手も背も大きい。
そして、その大きな手と自分の少し小さい手にはめられた指輪を眺める。
とても綺麗だ。
センスの良い淳らしい綺麗な指輪。
今日からこれは俺の一生の宝物。
「じゅんー」
「んー?」
「ほんとに、ありがと。今、俺すっごい幸せ。」
「ゆず」
「こんなに幸せだと、夢みたいだ」
「ゆず、夢じゃないよ。俺こそ、ありがとう。俺も今、とても幸せを感じてる。」
「ふふふっ!」
あったかいな。
子供の頃に味わったことのないような幸せを今噛み締めてる。
あの頃を頑張って乗り越えて良かった。
自分は、生きてて良かった。
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