第1章

6/18
前へ
/18ページ
次へ
「ゆず!ゆず!大丈夫か?!」 「う、ん……。じゅ、ん?」 「ただいま。なんでソファなんかで寝てたんだ?」 ん? ふと、時計をみると午後八時過ぎ。 そして、目の前には淳の心配そうな顔が見える。 「あ、おかえり。テレビ見てたらいつの間にか寝ちゃってたみたい。」 「全く、すっげぇ心配しただろ。帰ってきたら部屋ん中真っ暗で。付けっ放しのテレビの前でぐったりお前が寝てて。マジで冷や汗かいた。」 「ごめん。あ!ご飯作ってない!」 「全く……。そんなの俺が作ってやるからお前は寝てろ。」 そう言うと淳は俺を抱き上げて寝室に向かった。 所謂"お姫様抱っこ"だったがたまには甘えていいかなと思い、淳の逞しい胸板に顔をぐりぐりした。 「ほら、甘えん坊さん。ゆっくりおねんねしててくださいね。」 「むー。俺はがきんちょじゃないー。」 「はいはい。いい子にしててな」 淳は寝室のベッドに俺を降ろし布団を掛け、頭を一撫でして部屋を出て行った。 はあー。 俺、今すっごい幸せだなー。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加