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そして翌日。
冒頭に戻ります。
ゆずと淳の運命を変えた日。
仕事が休みな淳は車で大きめの病院へ連れて行ってくれた。
そして、内科で診察を受けたあとなぜか産婦人科に連れて行かれた。
不思議に思いながら診察を終え、淳と再び診察室へはいった。
「安藤さん、そちらにいらっしゃるのはお付き合いなされている方ですか?」
「?はい、そうですが?」
「あら、ちょうど良いわ。安藤さん、おめでとうございます!妊娠三ヶ月ですよ!」
「え?なにいってるんですか?」
「だからー、妊娠なさってますよ。安藤さん。お母さんになるんですよ!」
「えーーー!!!」
「本当ですか?!」
「はい。少し説明をしたいと思いますので、安藤さんは辛いでしょうからそちらのベッドで横になってください。」
「あ、ありがとうございます。」
「安藤さんの体調不良の原因はお子さんがいるからです。この現象は誰しも通る道ですので心配なさらないでください。そして、先ほど診察した限りでは安藤さん、お子さん共に特に問題はありませんでした。」
「よかったー。」
頭を抱え、いつもよりオーバーアクションの淳を見て本当に心配してくれたんだなと心があったかくなる。
「ですが、最近増えてきたとはいえ男性間での妊娠はまだまだ医学が追いついてません。その点についてはこの病院では他の病院より多い人数のお子さんを取り上げています。私達は全力で貴方方家族をお守りできると自信があります。ですが、やはり男性ということは女性に比べて体調やメンタルが不安定になりがちです。その為、私達だけの覚悟では無事出産まで辿り着くことができません。なので、安藤さんと綾瀬さんにお願いがあります。」
淳はベッドに横になっている俺の手を優しく握った。
「お子さんを出産するという選択をするのであれば、絶対に諦めないでください。家族を守り、なによりも優先すると覚悟してください。男性の出産は女性より危険が多いのです。その覚悟ができないようであれば別の選択を選びます。」
「わかりました。」
「はい。」
「では、今急に判断することは難しいでしょうから今日はお帰りになって大丈夫ですよ。妊娠中は薬類を飲まないようにしてください。三日後にお二人の選択を聞かせてください。」
「「はい。」」
先生にお礼を言い、二人で病院をでた。
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