第1章

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卯思議高校。 この学校には、都市伝説があった。 昼下がり、街を行き交う人の波に逆らうように、下校する二人の女子生徒がいた。 人の波に紛れて、聞こえてこないはずの会話が、耳にまとわりつく。 本当はそんな会話をしていなかったのかもしれない、けれども雑音が自分の望みに聞こえてしまう、いわゆる空耳と言うものだ。 しかし、聞いた者が信じているなら、信じたいなら、空耳が真実となる。 「ねーねー、知ってるー?」 「なーに突然!?」 「この近くにある、卯思議高校に入学した人はみーんな恋人が出来るんだって。」 「なにそれ…そんなの小学生だって信じないよ。」 「だーよーねー。」
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