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卯思議高校。
この学校には、都市伝説があった。
昼下がり、街を行き交う人の波に逆らうように、下校する二人の女子生徒がいた。
人の波に紛れて、聞こえてこないはずの会話が、耳にまとわりつく。
本当はそんな会話をしていなかったのかもしれない、けれども雑音が自分の望みに聞こえてしまう、いわゆる空耳と言うものだ。
しかし、聞いた者が信じているなら、信じたいなら、空耳が真実となる。
「ねーねー、知ってるー?」
「なーに突然!?」
「この近くにある、卯思議高校に入学した人はみーんな恋人が出来るんだって。」
「なにそれ…そんなの小学生だって信じないよ。」
「だーよーねー。」
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