第1章

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「はーい。」 妹子と友子が気の無い返事をする。 「もー、二人とも真剣に。」 カナがいつもの様に叱る。 中学三年の夏休みを目前に、進路変更をした三人。 いつも思い付きで行動して、そそかしい妹子。 いつもマイペースで、ほんわかしている友子。 いつもそんな二人を支える、カナ。 三人は絶妙なバランスで成り立っている、でもけして壊れてしまう事は無かった。 「あ、そうだ…担任に進路変更を伝えないと、行くよ、イモトモ!!」 「ちょっと、混ぜて呼ばないでよ誰か分からないじゃない。」 妹子が口を尖らせる。 「なに、友子と一緒にされるのが、そーんなに嫌な訳。」 カナがわざとたらしく、誇張して言う。 「そ、そんなんじゃないけど…」 「酷い、妹子ちゃん…」 友子もわざとたらしく、屈んで妹子を見上げ上目使いで、涙ぐみ言った。 「もー、二人とも置いてくー。」 妹子は二人を残して職員室に走って行ってしまった。 「あー、妹子ちゃん。」 少しふざけ過ぎたと思い友子は、反省しながら追いかけた。 「あはは、妹子おいていかないでー。」 カナはまだふざけている。
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