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部屋のドアを閉めて、鍵を潰して開かないようにする。
ドジコの頭に、自分の頭をつけた。
「いい?
その体はもう、もたない。
ドジコの意識を、私にコピーする。
死ぬときに離れる魂をこっちで受け止める。
私の意識は、消すから、この体を使ってちょうだい。
ごめん。
そうなると、ドジコは子供も産めなくなる。
でも不老だけど、不死にはならないから、死にたくなれば、死ねるわ。」
ドジコの意識と自分の体を同調し始めた。
同調して、抜けた魂を吸い込む準備をしておかなければならない。
こんなことなら、米本に、こうした技術をもっと教わっておくべきだった、と、ちらりと後悔が頭をかすめるが、すぐに集中した。
シズカとスラリが、7階に到着した。
何人か、統総天会の人員が、その部屋の崩れかけているドアを開けようと、バールを片手に作業していた。
そのために目的の部屋は、すぐにわかった。
スラリは、その数人を弾き飛ばした。
霊服がこれまでになく、強大になっている。
力の加減はできていない。
シズカは、その間に、霊服の刀でドアを切断した。
中に入る。
「うわっ!」
さすがのシズカも声をあげた。
そこには、作業台の上に、元のドジコの肉体と、その作業台から倒れたように床に横たわる瀬織の服を着たドジコが存在している。
瀬織はいない。
「な、なんだ…これ?」
シズカもスラリも、訳がわからない。
とにかく、米本の指示の通りに、その部屋を確保し、警察にも触らせないようにした。
病院のベッドに、ドジコが寝ている。
治療室ではなく、個室の病室だ。
ナデシコ、スラリ、シズカがドジコを見ている。
米本が部屋に入ってきた。
あれから、丸1日経っている。
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