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ハカセはかまわず、
「そこは、物の例えだ。
しかし、それどころではない。
米本大臣、アネサンが仙人体を再度、構築するのに、どれくらいかかる?」
米本は、はっとした。
「再生の時期を知りたいのね。
初めては2週間かかったけど、今なら数日内だと思う。
普段から10人分食べて、いつでも代替えの体を使えるように、準備をしていたから。 」
それがどういうことか、米本も、気がついたのだ。
ハカセは、それを口にした。
「再生したアネサンを止めないと、統創天会どころか、エベルキン大国まで、皆殺しにするぞ。
忠丹国まで、手を出すようなら…」
瀬織がきれたら、誰も止められない。
陣平、陣平の子供、ドジコと、立て続けに喪失した瀬織が、冷静でいるとは誰も考えられない。
米本も、ゾッとした。
「大戦の引き金を自分で引くことになりかねない、かしら。」
ナデシコは、全員に渇をいれた。
「私たちが止めましょう。
統創天会は、米本大臣が合法的に潰してくれます。
天風とのオトシマエは、陣平さんが帰ってきて、自分がやるでしょう。
アネサンがやるのは、報復行為になります。
それ以上の報復は、無用にしないと。」
全員うなずいた。
程なく、ドジコは目を覚ました。
「あれ?」
第一声は、それだった。
付き添っていたスラリが、安堵する。
「気がついたか。
3日、寝てたぞ。」
ドジコは、不思議そうに周りを見回す。
「おかしいなあ。
なんで?ここ、病院?
3日経ってる?
あ、陣平さん、帰ってきましたか?」
スラリは、どうやら、ドジコの記憶がないことに気がついた。
だが、そこは黙っていた。
「あ、あ、まあ、まだ、主人は帰ってない。」
「3日寝てたってことは、陣平さんがいなくなって、もう、1週間ですね。」
ドジコの記憶は、ほぼ1ヶ月、まるまる抜けている。
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