滅亡

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「道理でおかしいと思いました。 この体、下半身に"おけけ"がないし、 お肌すべすべ過ぎるし、 トイレに行きたくならないし。」 ドジコは、あはは、と笑う。 だが、 「で、アネサンは?」 と、聞いてきた。 ハカセは、ふっと笑う。 「すぐに、新しい体を造って、現れる。 何たって、すでに数回、体を新しくしているからな。 お手のものだ。」 ドジコは、目を閉じた。 「そうですね。 では、私はお役ごめんになりましたね。 … もう、子孫繁栄には貢献できません。」 米本を始め、他のメンツも、そこは、フォロー出来なかった。 が、ハカセだけは、クックックッと、含み笑う。 一同が、ハカセを見た。 ハカセは腰に手を当てて、立ち上がる。 「そんなこともあろうかと、この前、陣平との人工授精実験のために、ドジコの卵子を採取を数回分行ったろう? アレは冷凍保存してある。 陣平のタネさえあれば、子供が出来る。 腹は、私が貸してやる。 ここの誰でも、貸せと言われれば貸すだろう。 だが、実の母親が要らない存在の訳がなかろう。」 全員、力抜けした。 ドジコは翌日、退院した。 喜んでばかりもいられなかった。 瀬織がどこに再生するのか、わからない。 米本によれば、 「気の集まりやすい聖地や、安心できる人の近くで、再生すると、考えられるけど、瀬織はもう、そういうことに縛られないレベルにあるわ。 どこでも、望むところで再生出来る。」 ということで、念のため、全国の警察には、目撃したら、連絡するように伝令された。 問題は、元と同じ顔で、再生するかどうかもわからない。 米本ほど簡単には、容姿を変更できなかった瀬織だが、今回は、あるいは今は、どうなのか、わからない。 だが、数日後の朝には、懸念に関わる事態が発生する。
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