5人が本棚に入れています
本棚に追加
その日は日曜だった。
ナデシコが、一番先に起きて、キッチンで朝食の支度を始めた。
テレビをつけている。
それまでの画面が、アナウンサーの顔に切り替わり、臨時ニュースが流れた。
「臨時ニュースです。
エベルキン大国の首都、ソレル市に、壊滅的な被害が出ており、通信が途絶えております。
被害の発生原因は不明ですが、何らかの軍事活動と考えられており、政府機能、通信機能、軍事機能、航空施設、港。広報機関の活動が停止、被害者の総数は不明。
駐留していた邦人には、先んじて何者かによる勧告がされており、日本大使館に保護されている模様です。」
ナデシコは、全員を起こし、テレビの前に集合した。
シズカが、
「まさか、エベルキン大国で再生したということ?」
と、誰にともなく、話す。
ハカセは、いくぶん冷静で、
「海で再生したかもわからんし、日本のどこかかもしれない。
飛んでいけば、エベルキン大国はすぐにつく。」
と、訂正する。
テレビは、どのチャンネルも、そのニュースばかりだ。
アナウンサーは、裏方から、メモを受けとり、
「あ、ただいま、新しいニュースが入りました。
エベルキン大国と戦争状態にあったサシン帝国が、侵攻を開始したとのことです。
衛星の写真から、この侵攻は…」
米本に連絡を取りたいところだが、ナデシコが
「今は、この騒ぎでは、米本大臣も本職でいっぱいいっぱいのはずだから、あちらから連絡が来るまで、待ちましょう。」
と、全員に念を押した。
モヤシから電話連絡が、ナデシコの電話に入った。
ナデシコが受ける。
「はい、ナデシコ。」
「そこにいるメンツは、総員待機、
場合によっては、出番があるかもしれない。」
それだけ言うと、モヤシは電話を切った。
最初のコメントを投稿しよう!