滅亡

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ドジコに話しかける。 「おい、今、何をしたんだ?」 ドジコは、顔をしかめた。 「そんなことより、あのおじさんに謝りなさいよ。」 犬を踏みつけた男は首をかしげた。 「踏んだとき、あばらの何本か折れていたんだ。 治るというのは、おかしいな。」 男は何回か、動物を踏みつけた経験があるのだろう。 ドジコは、鼻を鳴らした。 「治るのを早めただけ。」 普通なら、たわごとと流すところだが、男たちは話を額面通りに受け取った。 仲間内でより集まって小声で相談をする。 「聞いたか?」 「や、待て待て、思い出した。 俺は、以前に、大聖銀河教会の”予言の聖母アナスタシア様”のところにいた。 今の女は、そのときに、強制入信計画を手配されていた”予言の聖母クリスティーヌ”だ。 間違いない。 アナスタシア様に似ているしな。」 「なに? じゃあ、予言能力もあるのか。」 「確か、アナスタシア様は、敵の手に落ちて洗脳されてしまったとか。 あれのせいで、信者を集める効率が、がくんと下がったらしい。」 「アナスタシア様も、きれいだったからな。 男の信者は、ずいぶん集めたよな。」 「この女も、すげえかわいいぞ。 これは使える。」 「やはり、本部に連れていこう。 出世できるチャンスだ。」 ドジコの姉、東雲 ゆかりは、子供のころ、統創天会に拉致され、 洗脳を受けて育った。 最近ドジコの前に現れたときには、 統創天会の下部組織である大聖銀河教会を任される存在にまでなっていた。 自分を「予言の聖母アナスタシア」、と、恥ずかしい名前を真顔で、 どうどうと名乗るほど、脳を洗脳されており、 妹のドジコを引きずり込み、予言能力を利用しようと画策、実行にでた。 しかし、陣平達に見つかり、拉致に失敗。 逆に、東雲ゆかりが瀬織たちにとらわれ、 現在、未だに精神療養中である。 ☆☆☆☆☆☆ (第8話 ドジコ失踪に詳細を書かせてもらってます。) ☆☆☆☆☆☆ そのときの計画を知っている者がたまたま、いたのだ。
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