第1章

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僕は道を歩いていた 歩いていた 歩いていただけなんだ そしたら川へ落とされた 落とされたんだ もがいて 苦しんで ハシゴを探した 道の上には たくさんの大人がいた いたんだ でも、 難しそうな顔してさ 誰も 僕には 気付かない 川の壁に爪を立てて、 僕は登るんだ 登るんだよ たった一人でね 爪が無くなって 道の上に上がったら 小石につまづいて 膝を擦りむいて泣き叫ぶ子供と それを見て 慌てふためく大人がいた たくさんいたんだ 僕は強いって 思ったよ だからその日 決めたんだ 僕は、大きな人に なって 小さな小石を たくさん拾ってやろうってね 道の上を見てごらんよ あの空き缶を拾う大人が どこにいる? いないよ でも、いいんだ 僕が拾うからね この道は 僕の生きる道なんだ
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