恋がはじまった。

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うわぁ……本物の北乃くんが現れたら、何もしゃべれなくなっちゃう。 せっかく、二人きりなのに、こんなチャンスめったに現れないのに。 何話そう何話そう何話そう……… 「き、北乃くんって……甘いもの好き?」 北乃「え、うん。好き。」 「じ、じゃあ!今度アップルパイ作ってくる!」 北乃「うそっ!ほんとに?俺、アップルパイ好きなんだよね。」 「よかったぁー!」 北乃「やった。期待してる。」 うわぁ、そんな目で見つめないでよ。 溶けちゃうじゃん。 「う、うんっ。がんばる。」 北乃「じゃあね。咲ちゃん。」 なになに、なんか、咲ちゃんっていう言い方もちょっと皮肉が混じってますけどー。 絶対上手に作れると思ってないでしょ。 絶対振り向かせるんだからっ! 凛「咲っ!なに話してたの?北乃くんと。」 「ちょっとねー。アップルパイの話。」 凛「アップルパイ!?なにそれ(笑)」 「アップルパイ好きなんだって。だから、今度作ってあげるーとか言ってしまった。」 凛「えええ!それって、それって、ツーショットになる可能性大じゃん。」 「そ、そうかな?凛も一緒にどう?」 凛「行かない。絶対行かない。だって、好きな人とツーショットになるチャンスなんだよ!行くわけないじゃん。あ、でも、わたしにもアップルパイ作ってね。」 「あはは。うん。作ってくるね。」 凛「とびきりおいしいの作らなきゃね!」 「そうだね!」
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