0人が本棚に入れています
本棚に追加
「いってらっしゃい!」
お母さんの少し急かすような声とともにわたしは、高校へ足を踏み出した。
高校1年--春。
たぶんね。みんな、胸をドキドキワクワクさせてるんだろうね。
わたしは友達作りがとっても苦手。
自分から話しかけるなんて出来っこない。
掲示板にはクラスが貼り出されている。
人混みの中、自分の名前を探す……。
「北川 咲…北川 咲…あった。」
掲示板に貼られている5組のところに、自分の名前、北川 咲を見つけた。
ともだち………できるかな。できるといいな。
1-5の教室。
こわいことに、中からは話し声が聞こえる。
楽しそうな。
入るのを躊躇していると、肩をトントンと叩かれた。
「…?」
「もしかして、5組?」
「あっ、うん!」
「わたしもっ!よろしくね。佐久間 凛ですっ。わたしさ、引っ越してきたから友達いないんだよね、友達なってくれる?」
「もちろん!」
「やった!」
これが、現在の親友との出逢い。
こんなもんよ。
こんな風にかるーく、そして、どこか気をつかって。
教室に入ると、わたしの机は後ろだった。
凛「えーーいいなー。後ろいいなー。」
「凛は席どこ?」
凛「凛って呼んでくれた。んじゃ、わたしも咲って呼ぶね。」
「うんっ!」
凛「前から二番目。ここってさー、1番先生の目が行くとこだよ。」
「そうだね。(笑)」
凛「後ろだからってぇぇーバカにしてるでしょー」
最初のコメントを投稿しよう!