第1章

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母「おはよう。遅刻しちゃうわよ。」 「ほんとだ!もういってくるね!」 母「気をつけてねー!」 今日もはじまる。 きっととってもとっても楽しい高校生活。 同じ制服を着た人たちがたくさんたくさん。 なんだか、心強い気分になって、学校の門をくぐった。 凛「おはよー!咲ー!」 「あ、凛。おはよ。」 凛「あのね、さっき友達になった綾音ちゃん。同じクラスなの。」 「よろしくねー!友達が増えてうれしい!」 綾音「よろしくー!わたし、昨日友達できなくて、どうしようかと思ってたんだけど、凛ちゃんが話しかけてくれて!ほんと嬉しい!咲ちゃんも仲良くしてね!」 「もちろんもちろん!」 輪がどんどん広がって、とてもうれしい。 高校ではまた、新しい輪が広がる。 ?「あのー…」 「へ!?」 振り返ると、そこには昨日とは違うイケメンさんがいた。 ?「これ、落としましたよ。」 彼の手の中には、わたしの定期ケースが。 「あ、ありがとうございますっ!」 凛「えっ!?北乃くんじゃん!!」 あ、昨日言ってた気になってる人って、この人!? すごいカッコいいー! 目に吸い込まれちゃいそう。 どうして?こんなに寂しそうなのかな。 北乃「じゃ。」 「ありがとうございますっ!」 北乃「いえいえ。」 ほほえみをもらって、わたしの顔がポカポカしていることに自分でも気がついた。 凛「北乃くんに恋するのやーめたっ!」 「え!?どうして?」 凛「だって、咲が恋しちゃったんだもん。」 「え……」 凛「そうでしょ?咲。」 「……………うん、たぶん。」 凛「わたし、奥野くんにターゲットを絞る!お互い頑張ろ!恋が実るように。」 「………そうだね。」 なんだろ……この気持ち。 プカプカ海に浮いてるみたいな気分。 ひ、と、め、ぼ、れ!? 一目惚れしたの初めて。 あんな………寂しそうな人に。 寂しそうに見えるだけかも。 今見たら、すごい楽しそうに笑ってるし、勘違いかな。
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