恋がはじまった。

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教科書販売。 8クラスが一斉に購買に教科書を買いにいく。 わたしが探してるのは、北乃くんの姿。 どうしてだろ………気になる。 恋だよね…これって。 綾音「咲!数学の教科書買えた?」 「あ、うんっ!これだよね?」 綾音「そう!じゃ、現代文の教科書買いに行こー!」 「うんっ!」 なんで一斉に買いに来させるの? 人だらけで何も分からないじゃん。 満員電車みたい。 綾音「咲?大丈夫?」 「うんっ、なんとか……」 綾音「よしっ!これ、現代文ね。」 ほんと、しっかりした友達を持ったものだよ。 凛とはもう序盤にはぐれてしまった。 綾音しかもういない。 はぐれちゃだめだ! 「綾音ぇ、ありがと。」 綾音「いいのいいのっ。全部持った?」 「うん、たぶんー。」 綾音「買って、はやく教室戻ろー。」 「うんっ。」 長蛇の列に並んで、なんとか大量の教科書を購入し終えて、教室に戻った。 ━━━ そこにいた。彼が。 北乃「あ。」 「朝はどうもありがとう!落とさないように、ポッケに定期ケース入れて…入れて……あれ!?ここかな?あれ!?」 北乃「どこにもないと思う。だって、俺が持ってるもん。」 「え、」 北乃「購買の近くに落ちてて、朝のと同じだって思って……はい。」 「…ありがと。」 どれだけ優しいのよー… また顔がほてって、赤くなってるのが自分で感じ取れた。 北乃「もう落とさないようにしなね。」 「うんっ。ありがと。」 凛「奥野くーん!この教科書で合ってる!?」 奥野「うん。合ってると思う。俺と一緒だもん。」 凛「よかった!ありがとーう!」 奥野「ううん」 北乃くん……こっち見てる?どうして? 恥ずかしくて、北乃くんの方見れない…… 顔に何かついてるかな…… あー、それだったらもう終わり。 恥ずかしすぎる。 ?「おーい!北乃ー!先生来たから戻れよー!」 北乃「おう!じゃあな、奥野。」 奥野「おう。」 今…今しかないっ! 「ありがと、北乃くん!」 北乃「あ、いいよー。咲ちゃんだっけ?」 「あ……そ、そうですー」 北乃「咲ちゃんって呼ぶことにするね、咲ちゃん。」 「うんっ!」
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