最終章 また輝くために

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   後は、進行係が締めの言葉を言えば、会議は終了する筈だった。 「片岡副部長。アレは、どうなってる?」  いつもは、座ってるだけの部長が、余計なところで口を挟んだ。 「四月から採用される、交換人事の件でしょうか? それでしたら、検討中です」  部長直々の説明によると、期間を設定し他の倉庫と人を入れ換えるらしい。  目的は人材育成と共に、各職場の長短所の見極めを行い、レベルの均等化を図る為らしい。  係長に就任したばかりのオレには、関係の無い話しだった。  部長と片岡さんの間で、次々と名前があがっていく。  主任・係長クラスは、軒並み名前があがっているのが気になる様子。  二人だけの会話で、会議と呼べる状態では無い。お陰で、私語が飛び交い始めてきた。 「片岡副部長、神田くんはどうだね」 「それは、無理ですよ。神田のチームは、主任も班長も不足してます。奴が抜けたら、仕事になりません」
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