最終章 また輝くために

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  「そうだったか、それでは難しいな……」 「交換人事も大事ですが、人を出して本倉庫の仕事が立ち行かなくなれば、本末顛倒ですから」  予想通りに、片岡さんがオレを候補から外してくれた。  でも、部長は諦めきれないような顔で、机上のメモに何かを書き込んでいる。  候補から、外れていないのか?  そんなこんなで、グダグダになった会議はそのまま終了した。  会議室を出る時に、片岡さんに呼び止められ、隣の小会議室に連れ込まれた。 「部長がお前をって、推して困ったよ」 「交換先は、どこの倉庫なんですか?」 「名古屋倉庫だよ。期間は一年か、場合によってはそれ以上になるかもしれんな」  今ちひろと離れて、一年も過ごしたら絶対に終わってしまう。  それだけは、避けるべき事だ。  仕事でなければ、瞬時に断る話しであろう。でも、片岡さんに言われたら断る自信がオレには無い。
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