最終章 また輝くために

48/85
前へ
/917ページ
次へ
   ルミ達が、戻ってくる。 「ちひろにも、来たでしょ? このメール」 「うん、メールは返したけど……」 「そう、意地張ってメールも送んないかと思った」 「そんな事ないよ。やっぱり、心配だもん直樹は大切な人だから」  そんな人を、裏切ったのに。  そんな声が、聞こえた気がした。  みんな冷静な顔をしてるけど、落ち着かなかったり携帯電話をずっと見てたりしている。みんな、直樹の事が心配なんだね。  三種類の着信音が響く。  動きようのないこの状態を変えてくれたのは、三人に同時に来たメールだった。 “返信、ありがとうございます。病院の先生からのお話しを、そのままご報告します。検査結果が出ていないで、しばらく入院することになりました。市民病院の305号室です。よろしくお願いします。”  しっかりした妹さんだと思った。  もしかしたら、直樹のお父さんかお母さんの指示かもしれない。
/917ページ

最初のコメントを投稿しよう!

353人が本棚に入れています
本棚に追加