最終章 また輝くために

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   だけど、そうだったとしても、ちひろにはそれを出来ないと思った。  直樹が怪我で入院したら、側にいて離れないで看病する。それ以外の事は多分、ちひろには出来ないだろう。  でも今は、それすらも出来ないでいる。 「明日、みんなでお見舞いに行こうよ」  アキちゃんが、明るく楽しげに言った。  暗い雰囲気を変えようと、気を使って明るく言ったように聞こえた。  そのテンションと、真逆のオーラでヒトミちゃんが返す。 「うちらみたいな、お水が行って大丈夫かな? 直くんのご両親、どう思うんだろ」 「えっ、あっ……」  ちひろも、お客さんが入院した時にお見舞いに行った事がある。けど、身内の人がいる時は気を使った。  ましてこんな人数で行くなんて、常識的にどうなんだろう。  結局、まとまって行くから駄目って事になった。  それも無理矢理で、強引に意見がまとまった感じ。
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