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もう志麻はこのクマさえ見たくないということなのか。
どんな言葉を投げつけられるより、目の前のクマの存在が貴之には堪えた。
このクマと手紙は、志麻からの絶縁状に違いない。
本当はそんなもの読みたくもないけれど。読まなくてはならない。たとえ、どんなことが書かれていても、受け入れなくては。貴之にはその義務がある。
覚悟を決めて、貴之は封筒を開く。
中には白い便せんが数枚入っており、「貴之へ」と書かれた1枚目の便せんに視線を落とした。
***
貴之へ
突然荷物なんて届いて驚いた?
もう直接は話せないから、手紙で伝えるね。
貴之がこの手紙を読む頃にはきっと志麻はもう飛行機の中だから。
***
そこまで読んで、慌てて携帯で日付を確認する。
しかし、今日はまだ火曜日であった。出発は水曜日で、あと1日ある。
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