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“じゃあもう終わりだね。今までありがとう。さようなら”
明日電波の入る場所で、その彼は志麻からの最後のメールを目にするのだろう。
それまで律儀に毎日守られた「約束」。しかし志麻には関係ない。
続いたのが3ヶ月であろうと、1週間であろうと、今日約束が守れなかったら、二人の明日はない。
志麻はきっと誰のことも好きではないのだろう。大切なのは、自分が誰かに愛されているという事実を直接感じとってから一日を終えること。
志麻のそういうところは、一種の病気なのだと貴之は思っていた。
毎日寝る前に好きと言ってもらえなければ、眠ることができない。それは比喩でも何でもなく、紛れもない事実。
どんなに身体が疲れていてもその言葉がなければ、志麻は眠りにつくことができない。
だから志麻が男と別れると、貴之が彼氏の代わりになる。そうしないと志麻が身体を壊してしまいそうで、見ていられなかった。
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