451人が本棚に入れています
本棚に追加
「てめえ、舐めた事言ってんじゃねえ~!!」
俺の一言が気に入らなかったのか、突然喰らわされるラリアット。
「ブホッ――」
胸部に感じる衝撃。そして、激痛。勢い余って、床へ押し倒される。
「あー。こりゃ、ストレス解消にもってこいだな」
肩を回している兄貴がフンッと鼻を鳴らした。
なにが、『ストレス解消』だ。
こっちは無駄にストレスが溜まったというのに。と、身体を起こしながら兄貴を睨む。
「つうか、さっさと飯食え」
「飯?……飯!?」
急に思い出した兄貴が食卓を指差す。しかし、そこには飯など存在しない。あるのは、皿に盛られた真っ黒な物体だ。
「……え?何あれ?」
得たいの知れない食べ物を指差し兄貴に訊ねる。
「焼きそば」
「いやいやいやいや、焼き過ぎだろ」
「文句いうなら食うな!! 俺は弁当食ったから、お前は勝手に焼きそばくってろ!!」
兄貴の言っていることは、支離滅裂でまとまりがない。
“俺は実験台か?”
そう思わざる得ないこの状況が逆に怖い。――あの爺よりも。
最初のコメントを投稿しよう!