451人が本棚に入れています
本棚に追加
止まっていた車が、再び動き始めた。
鈍い痛みを右肩に感じ洋服を捲ってみると、日焼けした肌に青紫色の染みが出来ていた。
きっと、ぶつけた時に出来た痣だろう。
(木山死ね)
と、密かに思いながら外を眺める。
これからどこへ向かうのか、行き先は知らない。知っているのは多分木山さんと高松さん、あと安藤さんくらいだろう。
ボーリング場、ゲームセンター、カラオケ。行き先を色々と考えていると、車はコンビニの駐車場へ入っていく。
(何か買うのか?)
そう思っていたが、何故か木山さんはコンビニの入り口から一番遠い場所に止めた。
「降りないんですか?」
誰かが高松さんに訊いた。
「降りる必要はねえ。
――それよりも、今からおもしれえもの見せてやる」
「はい?」
高松さんが言わんとしている事が全く読めない。
『おもしろいもの』
そんなものが、コンビニのどこにあるというのだろう。
その答えを早く知りたくて、身体がうずうずする。
最初のコメントを投稿しよう!